Melvin向けのそれなりに複雑なルーリング問題はてすちーさんのFMQで皆さんおなかいっぱいだろうから、こっちではもう少し実践的なのを。
まあ、基本的にはいろんな所のルール質問で出た質問や、ジャッジやっててよく聞かれる質問からって感じのてきとーなコラムにする感じで。

第一回目の今日は領域変更誘発に関してのお話。

Q1-1:
SoMブロックのリミテッドをプレイしている。
あなたは《錆びた斬鬼》、《ファイレクシアの大男》、《銀皮の鎧》が装備された1/1で白の兵士・クリーチャー・トークンをコントロールしている。
対戦相手は《ファングレンの匪賊》をコントロールしている。
この状況で、あなたは《生命の終焉》を唱え、優先権を放棄せずに続けて《錆びた斬鬼》の起動型能力で兵士トークンを生け贄に捧げ、再生しようとした。
もしこれらがそのまま解決されたとして、対戦相手は何点のライフを得るだろうか。


いつぞやのGPTで受けた質問が元になっています。
この話で大事な事は、領域変更誘発のうち「戦場を離れる」イベントで誘発する誘発型能力は直前の状況を見る、というルール(CR603.6d)ですね。
CR603.6d:(略)しかし、誘発型能力の中には、その能力を持つオブジェクトが戦場を離れたり、ライブラリーや手札に置かれたり、コントローラーが変わったりするため特別に扱わなければならないものもある。それらの能力が誘発するかどうかを判断するために、ゲームは「過去の状態を見る」必要がある。戦場を離れた時の能力、パーマネントがフェイズ・アウトしたときに誘発する能力、すべてのプレイヤーが見ることができるオブジェクトが手札やライブラリーに移動したときに誘発する能力、オブジェクトが外れたときに誘発すると書かれている能力、プレイヤーがオブジェクトのコントロールを失ったときに誘発する能力、プレイヤーがある次元からプレインズウォークしたときに誘発する能力については、そのイベントの直後ではなく直前のオブジェクトの存在や状態に基づいて誘発する。


順番に整理していきましょう。
まず、《錆びた斬鬼》で兵士を生贄に捧げたとき、そのトークンは墓地に置かれます。ありがちな誤解ですが、トークンは「墓地に置かれる代わりに消滅する」のではなく、「墓地に置かれたあと、状況起因処理で消滅する」ことを抑えておきましょう。
このとき、兵士には《銀皮の鎧》が装備されていたため、兵士は墓地に置かれる直前までアーティファクト・クリーチャー・トークンでした。《ファングレンの匪賊》の誘発型能力は「戦場から墓地に置かれたとき」なので、直前の状況を参照します。そのため、対戦相手はこの時点で5点のライフを得ることができます。
その後、《生命の終焉》が解決されると、《錆びた斬鬼》は再生の盾により破壊されず(タップ状態になり)、《ファイレクシアの大男》と《ファングレンの匪賊》が破壊され、同時に墓地に置かれます。
既に戦場に《ファングレンの匪賊》は居ませんが、直前の状況では《ファイレクシアの大男》を《ファングレンの匪賊》は見ることができています。そのため、この時《ファイレクシアの大男》の分も《ファングレンの匪賊》の能力が誘発し、対戦相手はもう5点のライフを得る事ができます。
結果として、対戦相手は最終的に10点のライフを得る事ができるわけですね。
例えば《腐敗狼》が相打ちしたときもそうですが、「戦場から墓地に置かれる」誘発に関しては、同時に墓地に置かれた場合でも誘発するというのがポイントです。

では、今日のまとめを兼ねてもう一つ。
Q1-2:
あなたは《裏切り者、グリッサ》と《屍族の死のマント》をコントロールしていて、ライフは12である。
対戦相手は《屍襲い》が装備された《死の犬》と《吸血術士》をコントロールして、ライフは20である。
この状況で、あなたは4マナ以上立っている状態で《黒の太陽の頂点》をX=3で唱えた。
両プレイヤーは考えられる限り最善の選択をするものとする。

1.両プレイヤーのライフはどうなっているか
2.あなたは何枚のアーティファクト・カードを墓地から手札に戻せるか


答はまた次回。

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