Twitterでもつぶやいたけど、偽デュアラン騒動に関する雑感。

まあ、一応まずはお約束の前置き。
騒動の詳細はZaku3さんの記事を参照:
http://zaku3wildspeaker.diarynote.jp/201107032333074479/
http://zaku3wildspeaker.diarynote.jp/201107041311386284/

まあ、まずこういう騒動が起きる原因の中で「再録禁止カード」って制度の影響は無視できないんじゃないかな、と言うのが一つ。
プレイヤー数(=需要)はどんどん増えるのに、供給は増えないんだから値段は絶対下がらないっていうこの不健全すぎる状況。
しかも現物を実際に見たことがない客が多くなってくるにつれてどんどん偽造はしやすくなる。
実際、再録禁止って制度自体過去のコレクターの為にある者で、現在のプレイヤーに迷惑をかけているっていうのは否定できない訳だけど、こうして絶版カードの偽造問題が増えてくるようならその弊害はさらに大きくなってくる。
コレクター達は熟練しているから偽造品を見分けられるかも知れないが、新規の人達はそうはいかない。
実際、無理矢理なリメイク(例えば各デュアランに「再録」みたいな無意味なサブタイプを追加したリメイクとか)でエターナル専用に再録するとかしないと、あまりにも新規に辛すぎると思う。

で、DN界隈でも「周知徹底して被害を防ごうぜ!」みたいな流れになってるんだけど、そもそも「客の側が警戒しなきゃいけない」時点でおかしい状況なんじゃないかと。
カードの真贋なんてのは本来(TCGというゲームの性質上)客が気にすべき話じゃなくて、「買ってきたんだからそのまま大会で使えるよね」って発想で問題がない筈のシロモノな訳だ。
もの凄く汚い話になるんだけど、大会で偽造品を知らずに使ってきたプレイヤーが居たとして、その人間に対して「そもそも妙に安い値段で買う事自体が『偽物かも知れないけどまあいいや』っていう未必の故意があるよね、だからDQ(or出禁)だよ」みたいな言いがかりをつける人が出てくるんじゃないかと心配してる。
確かに、正規のものを高い金出して買ってる人から見れば「俺は高い金出して買ってるのに、安い偽造品を買う奴は許せん」となるかも知れないけど、相手は(本当に知らずに掴んだのであれば)被害者だって事を忘れちゃいけない。
別に、TCGってのはかけた金の金額を競うゲームじゃないんだから、大会で使うカードは(非合法な手段を執らない限り)トレードだろうがなんだろうが安く手に入れられるならそれで構わないわけなんだし。

最後に、ジャッジ・大会主催の立場から今回の偽造カード騒動を見ると、それはそれですごいめんどくさい。デッキチェック中に見つけちゃったり、対戦相手が見つけてジャッジ呼んじゃったりした場合ね。
言うまでもなく、偽物と完全に自覚した上で使ってたとしたらそれはゲーム物品の不正操作でDQを出せばいいから、まずは故意じゃないかどうかのインタビューは必須だわな。
ただ、それ以前に「果たしてジャッジが偽造かどうかを判断できるのか」っていう問題は浮上するよね。対戦相手がアピールしてきた場合とか特にそうだけど、公平な目から真贋判定しなきゃいけないことになって、それってジャッジの仕事の範疇なの?っていう疑問はある。
で、インタビューの結果も「偽物かもしれないなー、でも多分大丈夫だろう」とか、「偽物っぽいところもあるけど本物っぽいところもあるし、よくわからないから使ってた」「真贋問題の存在は知ってたけど、自分のは大丈夫だと思っていた」「真贋問題の存在すらしらなかった」と言う状況で、どこまでが故意なのかってのもある。
刑法とかなら「未必の故意」っていう概念はあるかも知れないけど、それをカードゲームで適用して良いのか、そしてどう適用するのかって問題も出てくるし。個人的には上の例は全部「故意じゃない」って考えるけどね(勿論嘘をついていない限り)。
で、今度故意じゃなかった、でも確実に偽造品だった、って場合はどういう措置を取るのかも問題。
厳密に言えば「デッキ/リストの問題」でゲームロス出して、適当な基本土地と入れ替えさせることになるはずなんだけど…。果たして本人の責任でもないことに関して(デッキの修整は仕方ないとしても)ゲームロスっていう裁定を出すべきなのかってのは凄く悩ましい。

コメント

ビートル
2011年7月5日16:52

考えさせられる事件ですね。
また、販売する店側も慎重にならないと偽物を販売して
店の看板を薄くしてしまう事は避けたいです。

リンクさせて頂きます。

zoe.
2011年7月5日17:25

>ビートルさん
確かに、お店の側としては大変でしょうね・・・
むしろ、一般の客側がショップに期待するのはそういう部分の「信用」ですから、より慎重になる必要はあるでしょう。
そこがダメな店ならネットオークションで買っても大差ないわけで、ある意味そういうところとの差別化ができる機会という捉え方もあるのかもしれませんが。

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